ブランドバッグクリーニングで色落ちトラブル?補償はしてもらえるの?
「新品の頃のキレイなバッグを取り戻したい!」と期待して依頼したブランドバッグのクリーニング。
にもかかわらず、クリーニングをしたことで逆に色落ちしてしまったり傷が付いたりといったトラブルが起こってしまうこともあるんです…。
クリーニングのプロに頼んだはずなのに、なぜトラブルが起こってしまうのでしょうか?
そこで今回は、繊維製品の取り扱いに詳しい繊維製品品質管理士が、ブランドバッグクリーニングのトラブル事案や補償を解説。トラブルにあわないためのクリーニング業者の選び方も紹介します!
大切にしているバッグがトラブルに巻き込まれないためにも、トラブルとその対処法に詳しくなっておきましょう!
よくあるブランドバッグクリーニングのトラブルTOP3
ブランドバッグクリーニングのトラブルって表沙汰にあまりならないので、どんなことがあるのか分からないですよね。
そこで、繊維製品品質管理士の資格を持つライターが、アパレル現場の経験と知識を基にクリーニングトラブルをランキングにしてまとめました!
TOP1:色トラブル
1番トラブル事例が多いのが「色のトラブル」です。特に淡い色のバッグは色の変化が目立ちやすいので要注意を!
変色
クリーニングに出したところ、元の色と違う色になってしまったというトラブルです。
原因は素材に合った溶剤を使わなかったり、洗い方が間違っていたこと!クリーニング業者の知識と経験不足によるものです。
特に変色トラブルが多いのが、エナメル素材。原因は樹脂コーティングがクリーニング溶剤によって化学反応を起こしてしまったり、酸化してしまったことにあります!
エナメル素材は、高級ブランドを扱うクリーニング業者でも断ることが多いトラブルメーカーです。
注意すべき素材:エナメル
色落ち
独特の質感で、ウェスタン調なバッグによく使われるスエードレザー。レザーを起毛させているため、洗浄や摩擦によるダメージを受けると色が薄くなってしまいます。
スエードはデリケートなので熟練の職人が手作業でクリーニングしてくれる業者に頼むのがおすすめ!
注意すべき素材:スエード、キャンバス、レザー
色移り
グッチなどにも多い異素材切り替えのバッグは、オシャレですが実は取り扱いやクリーニング方法を間違えれば、すぐに色移りしてしまうんです。
素材ごとに溶剤を変えて洗ったり、マスキングして片方をカバーするなど、特殊な洗い方がマストです!
注意すべき素材:濃色と淡色の組み合わせ、異素材使い、デニム
TOP2:風合いトラブル
天然素材のレザーは、風合いトラブルもかなり多いんです!トラブルの多くは「元の風合いよりも硬くなった」というケース。残念ながら1度硬くなったレザーは、基本的にもとに戻すのは困難です。
注意すべき素材:レザー
TOP3:傷トラブル
バッグクリーニングの場合、手仕事で1つ1つクリーニングをしています。そのため、汚れを落とす際に人の手によって傷がついてしまうことも。逆に溶剤をしっかり洗い落さなかった場合には、水シミや油シミなどのシミもついてしまいます。
注意すべき素材:レザー、キャンバス
その他のトラブル
前述のTOP3のカテゴリーに属さないトラブル事案もあります。
1、汚れが落ちていない
クリーニングから返ってきたバッグを確認したところ、汚れが落ちていないというトラブルもあります。このトラブル、意外と多いんです!しかも落ちていないにもかかわらず、代金を請求される場合もあるんです…。
注意すべき素材:バッグ全般
2、溶剤臭がひどい
素材やクリーニング業者によっては、水洗いではなく専用のクリーニング溶剤を使って洗うことがあります。その溶剤をしっかり落としたり乾燥させなかった場合、鼻をつくような独特の溶剤臭がバッグにしみついてしまうことも。
注意すべき素材:バッグ全般
依頼者が語る。実際にあったブランドバッグクリーニングのトラブル
意外とバッグクリーニングのトラブルが多いことは分かったでしょう。
それでは次に、実際にブランドバッグクリーニングを依頼してトラブルに巻き込まれた方から、「実際にあったトラブル談」を教えてもらいましょう!
色が変わりカチカチになった
ボッテガ・ヴェネタのレザーバッグをバッグクリーニングに依頼したところ、「薄い色は汚れが目立つため、クリーニングと同時に色付けがお薦め」と言われたAさん。クリーニングと色付けをお願いして待つこと1ヶ月ー…。
返ってきたバッグは悲惨なことに!元の色とはまったく違うクレヨンの肌色のような色にされ、軟らかかった質感もガサガサになってしまったそう。しかも、その事をお店に伝えると「使っているうちに元の色になる」とのことでした。
元の色と違う色になった
プラダのナイロンとレザーの異素材バッグを、自宅で洗ったBさん。洗剤がレザー部分についてしまい、そこからレザーの染料がナイロン素材のほうに染みでてしまったそう。この色移りを直してほしいとクリーニング店に依頼しました。
最初に依頼したときは色移りがとれておらず、もう1度同店でやり直してもらったものの、染みが取れていなかった模様…。しかもレザーの色が全体的に変わった状態で返ってきたとのことでした。
トラブルにあったときの補償はどうなるの?
万が一ブランドバッグクリーニングトラブルに巻き込まれたら…。補償額は?どうやって補償してもらうのでしょうか?
トラブルにあったら、まずは業者に連絡しよう
トラブルに見舞われたら。まずは依頼したクリーニング業者に連絡してください。
トラブル対応してくれなかったり、対応に不満があったりする場合は消費者生活センターへ連絡しましょう。
【1】依頼したクリーニング業者に相談する
↓
【2】消費生活センターに相談する
相談するときはクリーニング前の写真があると、より説得力があり、クリーニング業者や消費生活センターも対応がしやすいです。
ブランドバッグをクリーニングに出すときは、万が一に備えて事前に写真を撮っておきましょう!
弁償してもらおう。でも補償額は決まっているから要注意
クリーニング方法及び保管・取り扱い等に過失がある場合に限り、クリーニング業者が制度内で定めた賠償額基準を基に賠償してくれます。
第1条(目的)
この賠償基準は、クリーニング業者が利用者から預かった洗たく物の処理または受取および引渡しの業務の遂行にあたり、職務上相当な注意を怠ったことに基づき法律上の損害賠償責任を負うべき場合に、大量のクレームを定型的に処理するための合理的基準を設定し、これにより公平かつ効率的にトラブルを解決するとともに、利用者の簡易迅速な救済を図ることを目的とする。
※全国クリーニング生活衛生同業組合連合会から引用
しかし、クリーニング事故に対する補償額は、「クリーニング事故賠償制度」によって目安が定められているため、全額補償してくれるとは限りません。
賠償額 = 物品の再取得価格×物品の購入時からの経過月数に対応して別表に定める補償割合
このように、バッグが購入してからどのくらい経過しているか、依頼時のバッグの状態(A・B・Cで判定)で賠償額が決まるんです。
レザーバッグの場合 ※クリーニング事故賠償制度から一部抜粋
使用年数 | 商品状態〈A〉 | 商品状態〈B〉 | 商品状態〈C〉 |
3ヶ月未満 | 100% | 100% | 100% |
3~6ヶ月未満 | 94% | 90% | 86% |
9~12ヶ月未満 | 88% | 81% | 74% |
6~9ヶ月未満 | 82% | 72% | 63% |
12~15ヶ月未満 | 77% | 65% | 55% |
15~18ヶ月未満 | 72% | 58% | 47% |
18~21ヶ月未満 | 68% | 52% | 40% |
21~24ヶ月未満 | 63% | 47% | 35% |
この表に定められた補償割合に物品を再購入するための価格を掛けた額を参考にして、最終的にクリーニング業者が、クリーニングの仕上がりと照らし合わしたり、依頼者と相談をしながら賠償額を決定します。
新品と同じだけの料金を弁償してもらおうと思ったら、3か月未満のバッグしか対応してもらえないということになりますね。
まとめ
ブランドバッグのクリーニングトラブルについて分かりましたか?トラブルを避けるために自分ができるのは「優良なクリーニング業者を選ぶ」ことです。
いまやクリーニング業者はたくさんあり、ブランドバッグを取り扱う業者も数えきれないほどあります。その中から比較・検討して自分にぴったりのクリーニング業者を見つけ、バッグクリーニングトラブルを未然に防ぎましょう♪
おすすめの業者や選び方を知りたい方は、こちらの記事をチェックしてみてくださいね!
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